解決事例

【労働】

労災事故

相談前 トラック運送に従事していた社員が、トラック建築現場で不要となった資材をトラックの荷台いっぱいに積み込み、この資材がトラックの荷台から落ちないように荷台に積んだ荷物の上に登り、チェーンブロックを使用して荷物を荷台に力一杯縛り付けていたとき、チェーンブロックの持ち手のゴムが抜け、力余って荷台の上でもんどり打って、山盛りに積み上げたトラックの上から下に落下し、腰椎骨折の大ケガをした。
会社は、社員の全責任だと言い張り、賠償を拒否した。
相談後 取手が抜ける古い工具を使用させた会社の責任を問い、訴訟に打って出、社員の過失は2割、会社の過失を8割とする判決を得た。

【不動産】

地盤改良体(コラム)の撤去義務

相談前 土地の借主が鉄骨造陸屋根3階建駐車場を建てるに当たり、この土地が海の浜辺を埋め立てた土地であったので、借主は、地盤強化策として、セメント柱を打ち込む方法ではなく、直径1メートル 深さ20メートルに亘り、地盤と固化剤を混合して円柱状の地盤改良体(コラム)を100本近く築造して地盤を強化して建物を建てた。
この土地の借地期間が終了するに当たり、貸主は建物だけでなく地中のコラムも撤去せよ、と請求した。
相談後 このコラムは地盤改良体であり、地盤そのものであるとして撤去を争い、全面勝訴した。全く新しい判断を引き出した判決であった。

【交通事故】

依頼者が自転車、加害者が自動車の事故。事故後依頼者は入院しており、正確な実況見分書が作成されていなかった。

相談前 相手(加害者)は不起訴となっていたが、依頼者が「実況見分調書の内容が違う」と言うので、その調書の不自然なところを、事故後は残された証拠を積み上げて反論し、検察庁に対して再調査を上申して、実況見分調書を作り直した。自転車の被害状況、自動車の損傷部位に合った、事故態様を示す新たな見分調書ができた。
当初、保険会社は依頼者に8割の過失があると言っていた。
相談後 結果は自動車側が6割、自転車側が4割の過失割合となった。双方の被害状況から事故態様を争い、相手に不起訴処分としていた検察庁にも認めさせ、その指示で所属警察署の再実況見分に持ち込んで成功した。

【医療問題】

医療過誤

相談前 妊娠した主婦が、このまま出産したとき、長男と年子となることを嫌って、町の産婦人科で堕胎手術を受けた。医師は、手術は成功したと言い、患者は報酬を支払った。ところが、受精卵は、子宮外に出ておらず、卵管の間質部に留まっていたために、間質部で成長を続け、2~3週間後に破裂し、主婦は出血多量で生死をさまよった。
医師は、受精卵が間質部に留まっていることを発見することは不可能であり、不可抗力だとして、責任を取ろうとせず、主婦の損害賠償請求を拒否した。
相談後 堕胎手術(掻爬)後の妊娠反応検査をしなかった不注意を指摘して、訴訟で争い、勝訴した。

【安全確保義務】

ホテルの施設安全確保義務

相談前 九州の有名なリゾート温泉ホテルで、宴会後に8階の部屋に帰った宿泊客が、ホテルの窓から誤って転落して死亡した。ホテルは自己責任を主張して、責任を取ろうとしなかった。
相談後 窓に手すりなどを取り付けていなかったことは、ホテル側の安全確保義務違反であるとホテルを訴え、ホテルの落ち度を6割とする勝訴判決を勝ち取った。

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